- カラオケの仕事ってラクそう
- 店舗もどんどん増えてるし成長産業でしょ?
- 給料も相当良いって噂を聞くよ
カラオケ業界に大してこういうイメージを抱いて、転職を考えている人やアルバイトの候補として検討している人も多いと思います。
結論からいうとカラオケ業界の正社員平均年収は約398万円、アルバイトの平均時給は1,014円と言われているので、まぁ可もなく不可もなくといったところだと思います。
それでも私はカラオケ業界で正社員で働くのはオススメしません。実際に店長として正社員で働いたので信憑性も高いと思うので、カラオケ業界で働くことを検討している人、カラオケ業界に少し興味がある人には参考になると思います。
もちろん私自身の体験からくる感想なので、正反対の意見をもたれる方もいらっしゃるとは思いますので経験者の1つの意見として考えて欲しいです。
カラオケ業界正社員の給与水準が微妙
日本の平均年収と比較しても・・・
カラオケ業界の平均年収が約398万円で、日本の平均年収が約441万円(参考:国税庁)といわれているので単純計算で給与水準が低い傾向にあることはわかります。
しかもこれは平均なので上と下にはとんでもない開きがあります。月給20万円くらいでボーナス1ヶ月で夏冬の2回なら20万円×14=280万円となり平均より100万円近く少なくなってしまいます。これは極端な例ですが、1部の上位層が平均年収の水準を引き揚げているのは間違いありません。
良い面のお話をすると、経営陣側にいる上司に聞いた話では本部長クラスになるとボーナスが400万円を超えると言っていたので上に上がれば夢はあるということではあるので、貪欲に出世レースを勝ち上がろうという野心がある方には刺激で良いのかもしれません。
アルバイトなら検討の余地あり!!

カラオケ業界での正社員はオススメしませんが、アルバイトとしてなら検討の余地はありますね。自分の働いていた店舗が田舎だったというのもあるかもしれませんが、他の業種と比べて時給は高かったように思います。
さらにオススメの働き方としては平日の昼間メインで、週末も人が足りなければ入りますよ!!ってスタンスが良いですね。
接客業全般にいえることだと思いますが、やっぱり人が遊んでいるときに仕事をするものなので週末がとにかく忙しい。だからシフトインしたくはないけど、たまには入っておくと会社側からの印象が相当違います。
それとあとで詳しく書きますが繁忙期の忙しさが地獄級なので、繁忙期はなるべくシフトインを避けつつ本当に忙しくなる前の時期を狙ってシフトインをしておけば、「あいつは繁忙期に協力しない!!」ということにはならないので頭を使ってうまく立ち回りましょう。
頑張ったからといって報われる世界ではない
どの業種にもいえることだとは思いますが、努力をしたからといって報われる世界ではありません。もちろん手を抜けといっているわけではないのですが、会社からの甘い誘惑「頑張れば頑張った分だけ」みたいなのは幻想ですね。
評価の基準は売り上げメインなので、ぶっちゃけ好立地の店舗を任されたらかなり有利になります。店長の企画力や営業力でカバーできる部分もあるとは思いますが、飲食店は立地がものをいう世界なので、立地的にパッとしない店舗に配属されたらほぼ無理ゲーなので諦めるしかないのかなと思います。
まだ結婚していなくて自分一人なのであれば、都心への異動を上に志願して売り上げという見える形での結果を求めるのが正攻法ですね。
さらにいうと自分の労働時間をここぞって時に絞って投入すべきです。はっきりいってお客さんの数もそこそこの時間帯は他の従業員の方に任せておいて、デスクワークを中心にマストの作業を片付けておいて、週末や月末に事務作業なんてしなくていいような環境を作っておくのがベストです。こういう店長は従業員からは好かれないとは間違いないですが、自分のために割り切って考えましょう。
プライベートの時間なんてほぼないよ

飲食業だけでなくある程度の役職につくと出てくる問題だと思いますが、プライベートの時間って本当に取れません(泣)
学生アルバイトが多いとか、副業としてやっている人が多いなど店舗によって事情は変わるのですが、ベテランスタッフがいない店舗は休みも休みではないというのが実情です。
私自身も休日に子供を連れて出かけているときに電話がかかってきて、お店に直行なんて何度もありましたし、何かトラブルがあれば早朝だろうが真夜中だろうが電話に出ないといけないというのが本当にしんどかったですね。
さらに上司からの連絡もストレスの原因となるのは間違いありません。スケジュールを確認して、休日には連絡してこないという管理職の方もいましたがそんなことは稀で、急に電話をしてきて「あれはどうなってる?」て聞かれることも日常茶飯事です。
お客さんというより会社内部の人との関係に疲れて退職する人も多いのはこういう部分が影響しているのでしょうね。
店長なんて究極の便利屋さん
みなさんが想像する店長ってどんな仕事をしてますか?
事務所でパソコンに向かって作業していて、何かあれば呼ばれる人みたいなイメージないですか?
私ももちろんそういうイメージで転職した一人です。
でも実際の業務は「究極の便利屋」という表現が最もしっくりくるようなものなんですよw
とりあえずアルバイトの方と同じように店頭にももちろん立ちますし、急な欠員が出たとき補充できなければ自分が入るのこともしばしば・・・。
翌月のシフトを組むのも店長の仕事ですし、アルバイトの面接、未来のお客様の開拓のための挨拶回り、食材なので管理・発注などなど・・・。他にもまだまだ細かいことはありますが、これを基本一人でやらないといけないのです。
けっこう大変そうでしょ?
でもね・・・これをきちんとこなしておくのが当たり前だという風潮なんですよ(泣)
いやいや、無理じゃね??
っていつも思ってましたよ、口には出しませんでしたけど。
業界の書き入れ時がとにかく地獄
カラオケ業界にも繁忙期と呼ばれる書き入れ時があります。
卒業入学シーズン、ゴールデンウィーク、お盆、年末年始がそれにあたるのですが、この時期は本当に大変です・・・。お客さんの数が多くなるのはもちろんなのですが、家族・友人達が帰省したからみたいな普段こないお客さんが非常に多くなりますし、ちょっと元気が良すぎるというかタチの悪い方の来店も激増します。
カラオケ店なのでお酒を飲ませる方も多いのでトラブルも多くなり、そのトラブルの対応に時間を取られている間にも次のお客さんは来店する、でも案内する部屋の準備が間に合わない、待たされてイライラしたお客さんがまた別のトラブルの火種になる・・・まさに負のループです(笑)
でも、それよりも大変なのが「人」の確保なんです・・・。誰が好き好んで世間が休みの時に働きたいかって話ですよ!!もちろんアルバイトの人のシフト希望も激減します。自分が店長をしていた店舗はかなり協力的だったので助かっていましたが、それでもお盆は11連勤、うち10日間は閉店作業という地獄も経験しました。
カラオケ業界で働いてみて私自身が感じたメリット
ここまでデメリットばかり並べてきたので、「いやいや、さすがにメリットの一つや二つあるやろ??」と思った方もいると思うので私が感じたメリットを一つお伝えしときます。
飲食店などで働いている従業員さんに対して優しくなれた。
これに尽きます。自分が経験したことで飲食業の苦労もわかりますし、世間が遊んでいる時間に働いてくれているということに対して、素直にありがとうと感じるようになりました。
1年半くらいの短い期間ではありましたがこういう人として大事な部分を再確認できたので、働いたことには全く後悔はありません。
まとめ

いかがでしたか?
私自身の体験をベースに書いているので、上記の内容とは全然違う企業もあるかもしれませんが、ここに書いているのは紛れもない事実です。労働基準局に入られればアウトでしょう。
こういう事実を知ってなお働こうと考える人はなかなかいないかもしれませんが、業界自体も形は変えながらもまだまだ成長の余地はあると思いますし、野心をもって上りつめた先のリターンは大きいと思います。
うちの子供や知人がカラオケ業界で働いてみようかなと相談してきたら全力で止めますが(笑)
あなたの今後のキャリア形成にこの記事が少しでも役立てたのなら幸いです。